刀のごとく研ぎ澄ます。
切れ味。
それは刀にも、コーヒーにも、人にも宿る。
研ぎ澄まされた一杯が、心を整える。
宿場町の静けさの中で、自分を取り戻す時間――。
そんな時間を求めて、大桑村へ向かう。
大桑村の古民家カフェ「珈琲 刀」
というわけで今回訪れたのが、珈琲 刀様。
大桑村の宿場町に佇む、古民家カフェです。

長野県でもかなり南、岐阜県との県境に近いエリア。
なかなか来ることができない場所だからこそ、訪れる価値がある。
美味しいコーヒーと、丁寧な食事を。
江戸時代から続く鍛冶屋の面影
店構えを見た瞬間、息を呑む。
宿場町の趣そのまま。最小限の改装で残された、歴史の重み。
昭和の建物らしいですが、江戸時代から続く鍛冶屋ということで――
時代を超えた空気が、この場所には流れています。
中に入ると、木曽木材の温もり。


落ち着いた雰囲気なのに、どこか都会的なカウンター。
この対比が絶妙。居心地が良い。

ターキー、五年待ちの衝撃
メニューを開く。


実は今回、目当てのメニューがありました。
ターキーブレストサンドウィッチ。
「燻製した七面鳥を使ったハムをバジルソースで」
こんな魅力的なメニュー、見逃せるわけがない。
が――SOLD OUT。
「ターキーはもうないんですね……」
思わず訊ねると、スタッフの方が丁寧に答えてくださいました。
「いや実は、鳥インフルエンザの影響で手に入らないんです。こだわったメニューなので仕入れ先も決めていて、
それ以外は使いたくないんです」
なるほど。そういうことか。
妥協しない姿勢に、逆に信頼感が増します。
ならば他のメニューも同じこだわりがあるはず。
ローストビーフサンドウィッチを注文しました。
一期一会の心遣いに感動する
「サンドウィッチ大きめですけど大丈夫ですか?」
注文時、この一言をかけてくださる。
細かい気遣いが嬉しい。
コーヒーは刀ブレンドと鍛冶屋ブレンド。
ネーミングだけで心が躍る。
「コーヒーなんですけど……」
「お味ですよね?」
こちらが言い終える前に、すっと察してくださる。
鍛冶屋ブレンドがベリー系ということで、今回はこちらを。
そして――驚きの一言が。
「仕入れ先に問い合わせたんですけど、ターキーは五年ほどは入って来ないようです。
残念ですが、他の仕入れ先やメニューも検討しないといけないかもしれません」
私の何気ない一言で、そこまで調べてくださっていた。
はにかみながら答えてくださる姿。
一期一会。訪問者を大切にする心が、ここにある。
木曽漆器のマグで味わう鍛冶屋ブレンド
まずはコーヒー。
木曽漆器のマグカップ。

唇に触れた瞬間のなめらかさ。つるん、と滑るような口当たり。
軽くて熱も伝わりづらい。
細部までこだわりが行き届いています。
ベリー系の爽やかな香り。苦味も控えめで、すっと体に馴染む。
本当に美味しいコーヒーでした。
ローストビーフサンドの破壊力
そして届いたのが、ローストビーフサンドウィッチ。

「取り皿やナイフもご用意しますのでおっしゃってください」
どこまで丁寧なんでしょう。
席に来られるたびに感動させないでください。
幾重にも重ねられたレタス。それよりもさらに厚いローストビーフ。
かなり大きな口を開けないと、かぶりつけません。
シャキシャキのレタス、玉ねぎもシャキシャキ。
たっぷりとかけられたソース。
しっとり柔らかジューシー。ビーフの旨味がガツンと脳天直撃。
パンはしっとりもちもちで、甘みもある。
こんなサンドウィッチは初体験です。
飛ぶぞ、これ。
本当に美味しい。いや、うますぎる。マジで。
研ぎ澄まされた切れ味と、たおやかな心
ターキーは残念でしたが、それ以上の神対応。
そしてローストビーフの感動。
料理の最高の切れ味、たおやかなお人柄。
元々鍛冶屋だった古民家というより――
私はこちらのお店に、サムライスピリットを感じました。
大桑村という土地に根ざし、妥協せず、訪れる人を大切にする。
研ぎ澄まされた一杯と、心のこもった一皿。
五年後、ターキーが復活した時には――
きっとまた、この宿場町を訪れることでしょう。
それまでの間、あの珈琲刀で感じた『妥協しない姿勢』『訪問者を大切にする心』を、
自分の日常に何か活かせるんじゃないか。
私も心優しい侍になるのだ、そう思いました。
ごちそうさまでした。
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- 大桑村で本格コーヒーを味わいたい方
- 古民家カフェが好きな方
- こだわりのサンドウィッチを食べたい方
- 木曽路の観光ついでに立ち寄りたい方
- 丁寧な接客を求める方
【店舗情報】
- 住所:大桑村野尻1724
- 営業時間:9:30~17:30
- 定休日:月曜
- 駐車場有(南側にある郵便局隣にあり)
- 価格帯:¥1,500







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