酒菜治右衛門の土日限定朝食で味わう贅沢な朝
朝の声は、いつも低い。
目覚ましのベル。
完全遮光のカーテンが、部屋を夜のままにしておく。
けたたましいスマホの音だけが、朝を告げている。
カーテンを開けて、うねり声をあげる。
昼間はあんなに高い声なのに、なぜ朝はこんなに低いのか。
身支度を済ませて、いつもの朝食。
トーストとコーヒーの日。ヨーグルトとフルーツだけの日。
急いでいる時は、何も食べない日もある。
味気ない朝のルーティン。
「ああ」深いため息と、低い声が漏れる。
長野の朝は、もっと豊かになれる。
そう気づかせてくれる場所があります。
長野駅すぐ、朝5時から営業する居酒屋の朝食
今回訪れたのは、長野市にある「酒菜 治右衛門」様。
土日限定で朝5時から朝食を提供している、ちょっと珍しいお店です。

居酒屋が朝営業。
本当に営業しているのか?
到着するまで何度も不安がよぎります。何度もネットで確認しているのに。
午前5時半、店に到着。
小雨の中、まだ薄暗い朝。
看板に灯りがついている。ここで一安心。


扉を開けると、落ち着いたトーンのご主人の声。
「いらっしゃいませ」
小上がり4卓、カウンター5席の店内は、すでに8割ほど埋まっていました。
みんな、こんな朝早くからご飯を食べに。
驚きます。
程よい人の話し声。朝と夜が混同する、不思議な感覚。
期待がどんどん膨らみます。
迷ったら、全部いく
メニューは3種類。

鮭定食、出し巻卵定食、卵かけごはん定食。
単品での追加も可能。
これは全部食べたい。迷った時は両方です。
単品いけるんだもの。
というわけで、鮭定食に単品で出し巻卵を追加注文。
カウンターからはご主人の手際の良さがよく見えます。
都度手を洗う衛生管理。最小限の調理器具で、無駄なく動く姿。
卵焼きを焼く、哀愁漂う背中。
ワンオペでお客さんもたくさんいる中、提供には時間がかかります。
でもそれは、一つひとつに手を抜かない証拠だと思いました。
朝の一杯、ふわりと香るお出汁の優しさ
30分ほどで、定食が運ばれてきました。

サラダに梅干し、副菜も2品。
まずは豚汁から。
あっつあつ。醤油ベースの優しいお出汁。
豚肉の旨み、しめじに人参、油揚げが調和する一杯です。
ご飯は土鍋で炊いてあり、大好きな硬めの炊き具合。
ふっくらとしているのに、しっかりとした粒。
そしてメインの鮭。

ふっくら柔らかな身。塩梅も抜群。
どこかのレビューで見た「骨まで食べられる」は本当か?
恐る恐る食べてみたら――本当でした。
ポリポリとした食感で、全部いけちゃう。
鮭の骨、初めて食べました。
出し巻卵は、しっかり火を通したタイプ。

ほんのり香るお出汁の風味。優しさに包まれるような甘い味付け。
これが朝食として最高だと思います。
箸休めに、ごぼうと蒟蒻を炊いたもの。梅干しがまた良い。
新たな気持ちで鮭→ごはん→出し巻き→ごはん→豚汁。
もうここまで来ると止まりません。
あっという間に、完食してしまいました。
ああ、日本に生まれてよかった。
心底そう思える朝食でした。
「お気をつけて」に滲むお人柄
帰り際、「本当に美味しかったです」と「朝なのに混んでるんですね」
と伝えると、
「ええ、ぜひまたお越しください」
と照れくさそうにお話しされるご主人が印象的でした。
ご主人は、お客さんが帰る際、必ず「お気をつけて。ありがとうございました」と声をかけていらっしゃいました。
この「お気をつけて」を毎回と言うところに、お人柄が滲みます。
なんとも優しい気持ちになりました。
そして私は見逃しませんでしたよ。
フグの調理免許があったことを。
朝食が注目されがちですが、夜も本気の料理を期待しちゃう。
今度は夜に、お酒をいただきにきたいと思います。
雲の隙間から、陽の光が
いつものルーティンを抜け出して。
頑張って早起きして。
ちょっと贅沢な朝食。
店を出た時には雨も止み、雲の隙間から陽の光が溢れていました。
美味しい朝食で朝を贅沢な時間に変えて、同じような日々に変化をもたらす。
新しい経験、新しい朝、そして新しい私。
足取りも軽い。
気づけば「ごちそうさまでした」の声のトーンも上がっているのでした。
こんな方におすすめ
- ビジネスホテルの朝食では物足りない方
- 長野駅周辺で本格的な朝食を探している方
- 土日の朝、ちょっと贅沢な時間を過ごしたい方
- 居酒屋の本気の朝ごはんを味わいたい方
- 夜営業のフグ料理も気になる方
【店舗情報】
- 住所:長野市南千歳1丁目19−7 奈佐ビル1F
- 営業時間:5:00~8:00 (土日のみ)/ 17:30~23:00
- 定休日:月曜
- 価格帯:¥1,500
- 禁煙(店前灰皿あり)



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